転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
4・画材屋デートと、悪夢のような現実
「一度街へ、繰り出さないか」

 ディルクさんから思わぬ提案を受けた私は、左右に首を振る。
 この世界の城下町がどんなところなのかは、気になるけれど……。
 神殿の人々と鉢合わせたら、彼に迷惑がかかる。
 それだけは、避けたかったからだ。

「必要ありません。そんな暇があれば、私は絵を……」
「たまには、息抜きも必要だ」
「私は、お尋ね者です。この子と一緒にいたら、すぐに見つかってしまいます」
「ユニコーンでしたら、私にお任せください」

 私達の会話を護衛騎士とともに黙ってじっと聞いていた侍女が、一歩前に出て立候補してくれる。

「リルマ、さん……?」

 ユニコーンは神殿で、自分以外には懐かなかった。
 この間顔を合わせたばかりの彼女と神獣を2人きりにしたら、どんな流血沙汰が起きるかなど分かったものではなかった。

「き、危険です。怪我をしたら……。責任なんて……」

 私は当然、この子を任せるわけにはいかないと難色を示した。

「ユーニィ!」

 ユニコーンは意外にも、彼女に好意的な反応を示す。
 これには私も、目を見張るしかない。
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