転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
私はフードつきのマントで体型と顔を覆い隠し、ディルクさんとともに街へやってきた。
道路には馬車が行き交い、絢爛豪華なドレスを身に纏った貴婦人たちが談笑をしながら従者を従えて歩いている。
そんな姿を目にして、思わず息を呑む。
貴族の娘として生まれた私は朧気な記憶の中で、母親がヴィンテージ柄のドレスに身を包んでいたことを思い出す。
私も聖女に選ばれなければ、街を歩く貴婦人のように付き人と街を闊歩していたのだろうか……。
「シ……」
ディルクさんは様子のおかしい私の名前を呼ぼうとしたが、神殿に見つかることを恐れたのだろう。
その声は発されることなく、肩を叩くことで意識を向けようとする。
それに驚いて彼のほうを向くと、申し訳無さそうなディルクさんと目が合った。
「すまない。驚かせてしまったか」
「いえ……。すみません。つい、見惚れてしまって……」
この何気ない日常のどこに、意識を奪われる必要があるのだろう。
そんなふうに目線で訴えかけているような気がして、彼から視線を逸らす。
その後、か細い声で理由を告げた。
道路には馬車が行き交い、絢爛豪華なドレスを身に纏った貴婦人たちが談笑をしながら従者を従えて歩いている。
そんな姿を目にして、思わず息を呑む。
貴族の娘として生まれた私は朧気な記憶の中で、母親がヴィンテージ柄のドレスに身を包んでいたことを思い出す。
私も聖女に選ばれなければ、街を歩く貴婦人のように付き人と街を闊歩していたのだろうか……。
「シ……」
ディルクさんは様子のおかしい私の名前を呼ぼうとしたが、神殿に見つかることを恐れたのだろう。
その声は発されることなく、肩を叩くことで意識を向けようとする。
それに驚いて彼のほうを向くと、申し訳無さそうなディルクさんと目が合った。
「すまない。驚かせてしまったか」
「いえ……。すみません。つい、見惚れてしまって……」
この何気ない日常のどこに、意識を奪われる必要があるのだろう。
そんなふうに目線で訴えかけているような気がして、彼から視線を逸らす。
その後、か細い声で理由を告げた。