転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「いも、とが……」
「妹?」
「私の代わりに、ディルクさんの、結婚相手、だって……」
嗚咽を漏らしながら紡いだ声を聞いた彼と侍女は、露骨に顔色を変えた。
その表情には、「ついに知ってしまったのか」と言うような感情が隠されているような気がして――。
私は声を震わせながら、恐る恐る問いかけた。
「カルトン、さんと、リルマさん、も……。知っていたの……?」
お願いだから、「知らなかった」と言ってほしい。
――そんな私の願いは、叶わない。
リルマさんは気まずそうに視線を逸らしたが、カルトンさんはあっけらかんと言い放つ。
「まぁ、な。ユニコーンを連れている時点で、分かるだろ。あんたは神殿から逃げ出した聖女、シエル・べサリオ。ディルクと結婚を命じられてた相手だって知らなきゃ、とっくの昔に捕まえてる」
その言葉を受けて、強いショックを受けた。
みんな、わかっていて泳がせていたんだ。
リルマさんがユニコーンを見ていてくれたのだって、私のためなんかじゃない。
神殿のお尋ね者が無断で姿を消してしまわぬように縛りつける、人質だったんだ……。
「妹?」
「私の代わりに、ディルクさんの、結婚相手、だって……」
嗚咽を漏らしながら紡いだ声を聞いた彼と侍女は、露骨に顔色を変えた。
その表情には、「ついに知ってしまったのか」と言うような感情が隠されているような気がして――。
私は声を震わせながら、恐る恐る問いかけた。
「カルトン、さんと、リルマさん、も……。知っていたの……?」
お願いだから、「知らなかった」と言ってほしい。
――そんな私の願いは、叶わない。
リルマさんは気まずそうに視線を逸らしたが、カルトンさんはあっけらかんと言い放つ。
「まぁ、な。ユニコーンを連れている時点で、分かるだろ。あんたは神殿から逃げ出した聖女、シエル・べサリオ。ディルクと結婚を命じられてた相手だって知らなきゃ、とっくの昔に捕まえてる」
その言葉を受けて、強いショックを受けた。
みんな、わかっていて泳がせていたんだ。
リルマさんがユニコーンを見ていてくれたのだって、私のためなんかじゃない。
神殿のお尋ね者が無断で姿を消してしまわぬように縛りつける、人質だったんだ……。