届けたい音、届かない想い~The sound I want to deliver, the feelings that cannot reach.~
翌朝、目覚ましが鳴ると、私はすっと体を起こした。

以前なら、「あとちょっと」とか言いながら布団にしがみついていたのに、最近は起きられるようになってきた。

今日は最悪の7時間だけど、そのあとも部活があるって考えたら体もすんなり動く。

制服に着替えて、スイッチを入れる。

「結来ー、朝ごはんよー」

と母の声が聞こえ、「はーい、今行く」と返事をしながら階段を下りて、リビングに向かう。

母が「おはよう、最近起きられるようになったね」といった。

私は「うん」とだけ答えたけれど、本当はうれしかった。

朝ごはんを口に運び、完食すると、髪のセットに取り掛かる。

今日は髪の調子が良いなと考えながらいつも通りのポニーテールに仕上げたら、家を出る。

スマホを取り出して、Spotifyを開く。

この間、おしゃれな同い年くらいの女子高生がイヤフォンをしながら通学に歩いていて、それくらいなら私もできそうだと思い、最近はイヤフォンで音楽を聴きながら通学をしている。

結局、そんなことではおしゃれに離れなかったけど、吹奏楽の音楽を聴くという目的があるので、続けている。

この間の合奏曲を聴きながら歩く。

「ここ、褒められたとこだ」

と思わず一人でわらってしまう。

はたから見たら変な奴かもしれないけど、、。

電車に乗り継いで、学校につくと昇降口で心華が手を振ってきた。

「結来ー!おはよー」

「あ、心華!おはよう」

高校でできた友達だから、2か月前くらいまでは少し緊張していたのに、今ではすっごく話せるようになっている。

人見知りのはずなのに、心華とは、たくさん話せる。

「今日も部活あるねー」

「うんがんばろー」

と他愛のない話をしながら廊下を歩いた。

その時間はとても心地よかった。
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