御影の王
一週間もすれば、学園の事もある程度わかってくる。

俺はすぐにこの学園に馴染み、そこそこに友情も育み始めていた。

ただ、いまだに四門と宮川が、俺の様子を探るような顔でこちらを見つめているのが気にかかる。

初対面だというのに、何か知っていそうな二人の様子。

どうにも落ち着かない。

そもそも最初からあの二人だけは妙だったのだ。

俺に話しかけていながら、俺とは違う誰か別の人間の話をしているような感じがする。

紅と名を呼ばれても、その実、呼んでいるのは別の誰かのような気がするのだ。

…気に入らない。

あいつらは一体俺の何を知りたがっているのか。

俺の何を知っているのか。

何ともすっきりしない、靄がかかったような感情が胸の中に残ったままだった。

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