白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
でもやっぱり即席だから、俺の右手は美玖の左手に追い付かない。

「合わせようとしなくていいの。リズムよ、悠真先生。」

そう言う美玖が、まるでピアノの先生のように思えた。

「うふふ。悠真先生、子供みたい。」

クスクス笑う、彼女の隣にいつまでもいたかった。

「なんか、連弾って簡単なようで難しいのね。」

「連弾って言うんだ。」

そして美玖は、俺を見てニコッと笑った。

「まるで恋と同じね。」

「えっ……」

ドキッとした。心臓の鼓動が早くなる。

「ほら、恋って一方的な想いじゃ、どうにもならないでしょ。まるで連弾みたいに、二人の息がぴったり合っていないと続かない。」

胸が苦しくなった。

俺が一方的に美玖を想っていても、それは恋愛として成り立たない。
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