白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「三島さん。」

彼女の瞳が俺を捉える。

「再手術の件です。同意書を持って来ました。」

「ああ……」

だが三島さんは、俺が説明する暇もなく、手術同意書にサインしてしまった。

「あの……三島さん。」

「いいんです。渡部先生なら、命を救ってくれるって、信じてますから。」

そしてそっと微笑んだ彼女は、それっきり俺を見なくなった。

「三島さんの手術、最新鋭のロボティクアームを使用します。」

「うわあ、すごい。渡部先生ってそんなものもできるんですね。」

俺を見ようとしない三島さんに、心が痛んだ。

「三島さん、俺を見て。」

「いえ……」

「お願いだから、見て。」

三島さんはゆっくりと、俺を見つめた。

「あなたは、俺が救います。」

「渡部先生……」
< 104 / 298 >

この作品をシェア

pagetop