白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
三島さんのカルテに、俺の名前を呼んで泣いていたと書いてあった時には、理由が分からなかった。

だけど今なら、その泣いていた理由が分かる。

「あなたが俺を呼んで泣いてたこと、無駄にはしません。」

「あ……」

彼女は俺を見つめて、涙を流した。

「あなたが新しい人生を送れるように、全力を尽くします。」

その瞬間、三島さんが泣きながら俺を抱きしめた。

「ねえ、渡部先生。」

「はい。」

「私、あなたを好きになって……よかった……」

震える背中を抱きしめるのではなく、摩ることで精一杯だった。

しばらく泣いた後、彼女はベッドに横になって眠ってしまった。

その横顔が、俺を励ましているように見えた。

「オペは、絶対に成功させる。」

医師は患者に、絶対や必ずを使ってはいけない。
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