白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「作るといい。」

美玖はちょっとムスッとした顔をした。

怒った顔も可愛いと言ったら、美玖はどんな顔をするだろうか。

「悠真先生は、何でもできるからいいわよね。」

「俺は天才じゃない。それにピアノだって弾けない。」

美玖はあははと笑った。

ああ、美玖。

その笑顔が、俺をどれだけ勇気づけているか、君には分かるだろうか。

「今回の手術、成功したら君の手術にも一歩近づける。」

俺は美玖の髪に手を触れた。

美玖の香りが広がった気がした。

「そうなの。私の手術……」

「ダ・ヴィンチ手術支援システムは、繊細な手術が得意なんだ。手ぶれも少なく後遺症も少ない。」

美玖は、うんうんと頷いた。

「それを使えば、私の後遺症が出る確率も、格段に減るのね。」
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