白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「減るどころか、一切無くしてやる。」

俺は美玖を見つめた。

「君の未来は、俺が守ってみせる。」

そう言うと美玖は、俺の胸元に頭を預けた。

「成功するわ、きっと。」

そっと、美玖の体を片手で抱き寄せた。

「だって、あんなに練習してるんですもの。」

俺はその言葉に、目をぱちくりさせた。

「……もしかして、また練習見に来てたの?」

「あはっ!バレちゃった。」

恥ずかしい。人に練習してるところは、見られたくないのに。

特に美玖の前では、完璧な男でいたいのに。

「完璧でいようとする先生が、少し不器用に見えた。」

あああああ!もうっ!最悪だ。

「練習風景なんて、見られたくなかった。」

顔を手で隠すと、美玖がその手を振り払った。

「私には見せて。不器用なところも。」
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