白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
突然、血圧低下のアラームが鳴った。

「血流が不安定です!」

里奈さんの報告に、俺は急いでモニターを見る。

「カテーテル維持、周囲損傷なし……続行する。」

アームの動きが遅れが出ている。

「やっぱり、まだ完全じゃないな……」

「悠真君、落ち着いて。大丈夫よ。」

額に汗が伝う。呼吸音だけが響く。

里奈さんが手を止める。

「……悠真君?」

「動脈の破綻はない。もう少しだ。」

画面上に血管の鼓動が蘇る。

「血流、正常化。」

「バイタル安定!」

麻酔科医の声に、オペ室全体に安堵の息が広がる。

里奈さんが小声で「おめでとう」とつぶやいた。

「……助かったな。」

黒川先生も頷く。

その瞳には、俺の師としての誇りと安堵が浮かんだ。

思い浮かぶのは、美玖の笑顔。

「これでようやく、君の手術にも進める。」

そう呟かずには、いられなかった。
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