白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
私はうんと頷いた。

「美玖ちゃん!」

黒川先生がペンライトで私の目を照らす。

「発作か。処置室空いてる?」

「いえ、他の人が使ってまして。」

「美玖ちゃんの病室に運んで。直ぐにモニター着けて。」

「はい!」

やってきたストレッチャーに私は乗せられた。

ストレッチャーが廊下を走る。

やがてベッドに辿り着いた私に、モニターが着けられ点滴の針が差し込まれる。

「プリンペラン10mg、静注。……それとデキサメタゾンも入れて。」

「はい。」

黒川先生が私の顔を覗き込む。

「ベッドを軽く上体起こして。無理に動かさないで。呼吸楽にしてね、美玖ちゃん。」

ベッドの枕元が上がる。

「美玖ちゃん。俺が分かる?」

うんと頷くと、黒川先生がニコッと笑った。
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