白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
悠真先生はパンフレットを開くと、演目の曲を私に見せた。

「ああ、あったよ。ドビュッシー、月の光。」

私はクスっと笑った。

「私もね、コミュニティスペースの電子ピアノで、月の光弾いたんだ。」

「え?」

先生が私を見つめる。

「朝倉君を通して聴いていた曲、本当は私の手で、悠真先生に聴かせてあげたかった。」

先生はパンフレットを置くと、私を両手で抱きしめてくれた。

私の額に先生の唇が口づける。

「美玖。話を聞いて欲しい。」

「なに?」

「手術を受けて欲しい。」

私は自分の指をぎゅっと握った。

「今日、君が死んだらどうしようかと思った。」

先生の声が震えていた。

「もう君を苦しめたくないし、君を失いたくない。」

「分かった。キスしてくれたら、手術受ける。」
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