白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
私は頬にある先生の手に、自分の指を重ねた。

「……今夜も、会いに来てくれる?」

「ああ、来るよ。君が心配だからね。」

そう言って先生は、私から手を離すとまた仕事に行ってしまった。

また会える。

今夜も、明日も。そして、手術が終わったその先も。


悠真先生が病室を訪れたのは、もう面会時間が過ぎた頃だった。

「すまない。シミュレーションしていて。」

先生は息を荒くすると、椅子に急いで座った。

「大変だったのね。」

そう言うと悠真先生は、ふふっと笑った。

「美玖の為だからね。」

少し前までの先生だったら、絶対”仕事だから”とか言ってた。

何が先生を変えたのだろう。

すると先生は、棚の上のブーケを手に取った。

「もう花は萎れてしまったね。」
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