白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「はぁはぁ……」

先生はぐったりとすると、私の隣に体を預けた。

「……満足した?悠真先生……」

「うん。いっぱい満足した。美玖は?」

「私は……悠真先生と一緒に、いっちゃった……」

恥ずかしくなって私は、両手で顔を覆った。

私は溢れた涙を抑えきれなくて、そのまま両手で涙を隠していた。

愛し合った後に、泣く女なんて重すぎる。

「美玖。」

でも悠真先生は、そんな私にも優しくて。

温かいその手で、私の涙を拭ってくれた。

「先生……私これで……」

「うん。」

「明日死んでも、後悔しない。」

すると先生は私を抱き寄せた。

「死なない。美玖は明日、生きるんだ。」

「悠真先生?」

「俺と一緒に、ずっと生きて行こう。」

一緒に。先生と一緒に生きて行く。

それは私にとっての、祈りのような言葉だった。
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