白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―

第6章 Grave ―祈りの手術台

洗面所で顔を洗うと、そこには医師としての俺がいるはずだった。

「美玖……」

指には昨日の夜、彼女の手を握った感覚がやけに生々しく残っていた。

夢中で美玖と体を重ね合わせた。

彼女を欲しいという欲望は、果てを知らなかった。

彼女の中に、愛してるという証を注ぎ込んだのは、彼女の未来まで俺が欲しがった証だった。

1度ならずとも、2度まで。

彼女の中からは、俺の愛が溢れだして止まらなかった。

あんな魂を溶け合わせた行為は、生まれて初めての経験だった。

俺はもう一度、顔を洗った。

何度洗っても、美玖の体の温もりが消えない。

その時だった。

誰かが俺に、タオルを差し出した。

見ると、里奈先生だった。

「おはよう。何、眠れなかったの?」

俺はタオルを受け取ると、顔を拭いた。

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