白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「いや、ぐっすり眠れた。」

「でしょうね。あなたはオペの前夜は、無理しないで早寝する人だものね。」

そう言われても、昨夜の俺は早寝なんてできなかった。

美玖と愛し合った後、結局眠りについたのは、彼女の寝顔を見てからだった。

でも、こんなに精神的に満たされた朝は、今までなかった。

今の俺なら、どんな重症な患者でも、救えるような気がした。

「ところで、その髪。ちゃんと櫛で梳かしてきたの?」

「いや、梳かしてない。」

「なんで?」

「昨夜は、病院に泊まってしまって……」

里奈さんは呆れた顔を俺に向けた。

「そんなに、天音さんの事が大事?」

「……うん。」

でも、まさか昨夜。美玖を抱いたとは言えない。

「はぁー、馬鹿らしい。」

「えっ?馬鹿?」
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