白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
里奈さんは俺の顔を真剣な目で見つめた。

「本当に、執刀変わらなくて大丈夫?」

俺も真剣な目で、里奈さんを見つめた。

「今なら、交代できるわ。任せて。シミュレーションであなたのオペは、コピー済み。」

「彼女の命は俺が救います。誰にも任せない。」

里奈さんは、ふっと笑った。

「だったら、愛情は置いてきて。必要なのは客観的な判断だから。」

「はい。」

そう言って里奈さんは、また手術の準備を始めた。

中を覗くと、美玖が麻酔科医と話をしている。

笑顔だ。この分なら、麻酔も早く効くだろう。

俺はオペ室の中に入った。

「美玖。」

「悠真先生。」

彼女は俺に手を伸ばした。

その手を取ると、ぎゅっと握りしめた。

「悠真先生。私、ちゃんと麻酔から覚めるかな。」
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