白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「腫瘍は全て摘出しました。運動野も保たれています。成功と言っていいでしょう。」

そう言うとご両親は、安心しきったように体から力を抜いた。

「先生、本当にありがとうございます。」

お父さんが、俺にお礼を言ってくれる。

初めて顔を見ることができたけれど、どことなく美玖に似ている。

「数日は、指の反応も鈍いと思いますが、時期に取れて来ると思います。」

「はい。」

そう言うと俺は、ご両親に一礼をして離れた。

美玖は手術室からICUに移動された。

照明を落としたICU。

機械音が一定のリズムで鳴る。

モニターに映る心拍。

酸素マスクをつけた美玖の顔は、静かに眠っている。

俺はそのベッドサイドに行った。

「美玖。気分はどう?」

聞いても返事はまだこないことを、知っていた。
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