白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
里奈先生は悲しそうに笑っていた。

ICUに移った後も、油断は許さない。

定期的な血圧・脈拍・瞳孔反応のチェックが必要だ。

俺は他の仕事の合間に、逐一美玖の元にやってきた。

そんな俺を篠田先生が、見守ってくれている。

「まるで恋人のようじゃないですか。」

その言葉に、俺はクスっと笑う。

「天音さんは、渡部先生の気持ち知ってるんですか。」

「そうだといいですけど。」

「言わないんですか?」

「言ったつもりではあるんですけどね。」

そう言うと篠田先生は、笑いを堪えている。

「何ですか?」

「いや、さすがは女心が分からない渡部先生だなと思って。」

俺は、ん?と首を傾げた。

「あはは。」

篠田先生は、大声で笑っている。

陽気な人だ。
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