白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
そして俺は、仕事が終わってからも、美玖の傍に寄り添っていた。

黒川先生の視線を感じていたけれど、今はそんな事どうでもいい。

「バイタルOK、瞳孔確認もよし。」

そんな事をしながら、結局美玖の傍にいてやりたかった。

でも、23時を超えると、黒川先生が俺の肩を叩いた。

「いつまでいるつもりだ。」

「……さあ。」

正直、自分自身も分からなかった。

「帰れ。今日の君は、12時間ものオペをしたんだ。休まないと体がもたない。」

「ええ。分かってはいるんですけどね。」

疲れているのは、百も承知だ。

「美玖ちゃんの事は、俺に任せろ。」

黒川先生の申し出に、心が焦った。

「彼女と、約束したんです。」

「約束?」

俺は美玖を見つめた。

「俺と一緒に生きようって。」
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