白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
翌朝。まだ眠っている美玖の顔を見ながら、眠い目を擦った。

結局、ICUで一夜を過ごしてしまったのか。

そして案の定。里奈さんが呆れた顔で、俺を見ていた。

「ねえ、馬鹿なの?」

「すみません。」

里奈さんは俺に、眠気覚ましの珈琲を淹れてくれた。

「今日は休んでいいって。その代わり夜勤で来いだって。」

「夜勤?18時からの?」

「どうせ天音さんが目を覚ますのは、その頃よ。」

その言葉を聞いて俺は、立ち上がった。

「何かあったら、直ぐに呼んでください。」

「はいはい。」

里奈さんに美玖を預けて、俺はICUを出てロッカー室に向かった。

途中で篠田先生と、非常用階段で会った。

「あれ?帰るんですか?」

「……はい。急に夜勤になっちゃって。」
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