白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
もし、悠真先生と付き合っているとか言ったら、お母さんびっくりするから言わないでおこう。

「悠真先生か。先生、良い方よね。」

「お母さんも、そう思う?」

私は食いつくようにお母さんに尋ねた。

「ええ。手術前だったかしら。ご挨拶に行ったら、丁寧に説明してくださってね。」

「手術前に?悠真先生に会ったの?」

「そうよ。」

私はちょっと、顔が赤くなった。

悠真先生、私と一晩を過ごした後に、両親に会うってどんな気持ちだったんだろ。

「何か言ってた?私の事。」

「特には言ってなかったけど?」

「へえ。」

黙ってたんだ。そりゃあそうだよね。

まさか、悠真先生だって両親に下手なことを言えないよね。

「ねえ、お母さん。」

「どうしたの?」

「私、悠真先生の事。好きなの。」
< 188 / 298 >

この作品をシェア

pagetop