白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
悠真先生の医師としての態度に、私は笑いを隠せない。

「ですけど、娘の心は戻っているようです。」

お母さんは、真っ直ぐに悠真先生を捉えた。

「美玖は、プロデビューが決まった時、私にこう言ったんです。私、ようやく恋ができるのね、と。」

「お母さん?」

そんな他愛のない言葉、まさか覚えていたなんて。

「そんな事言っても、悠真先生が困るだけでしょ。」

「いいのよ。困って下さい。」

お母さんは、何かを思うように悠真先生に告げた。

「娘が初めて恋したんです。どうか、困ってやってください。」

お母さんの想いに、私は胸が苦しくなった。

娘を思う気持ちが、私にも伝わったからだ。

「あの、お母さん。」

えっ?何?悠真先生、何を言うつもり?

「俺は、美玖さんの想いに、困ってなんかいません。」
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