白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
もう決まっている。来年のスケジュールが、私の知らないところで。

「いいね、その音のズレ。直しておくんだよ。」

そう言うと遠藤さんは、コミュニティスペースを去って行った。

私は立ち上がると、コミュニティスペースを出た。

「天音さん、すごかったわね。」

私の体がビクっとなった。

振り返ると、鷲尾先生が話しかけてきた。

「やっぱりピアニストに弾いてもらうって、最高よね。」

「ありがとう……ございます。」

私は背中越しにお礼を言った。

「ところで、あの男性は誰?」

「マネージャーの遠藤さんです。」

鷲尾先生は私と悠真先生の仲を知っている。

他の男性との仲を気にするのは当然のことだろう。

「なんか、音がなんとかって言ってたけど、どういうこと?」
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