白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
篠田先生は笑いながら、俺の医療用のシャツを使用済みリネン回収BOXに入れた。

「喧嘩ですか。」

「いえ。喧嘩じゃないです。俺の失敗です。」

俺は近くにあるベンチに腰を下ろした。

「失敗?渡部先生が?」

篠田先生が俺の隣に座る。

「ぜひどんな失敗か聞かせて欲しいですね。今後の参考の為に。」

なぜか、彼だったら。

俺を責めてくれるような気がして、ならなかった。

「……美玖の指が、繊細な動きに耐えられないんです。」

「えっ?」

篠田先生が俺を見つめる。

「でも、両手の指は動くって言ってたじゃないですか。」

「はい。でも表面上だけです。ピアニストとしての繊細な動きを奪ったなら、俺のオペの失敗です。」

彼は冷静に俺に告げた。
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