白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
でも隠すのも逆に変か。

「……はい。彼女です。」

石田さんは、息をゴクンと飲み込んだ。

「その……特別な関係なんですか?」

息が止まった。

俺は石田さんの顔を見れなかった。

「私、見たんです。」

「……何を?」

石田さんは持っていたカバンを、ぎゅっと握りしめた。

「手術の前夜、天音さんの病室にいましたね。」

「どうして、それを?」

「私、夜勤で夜中に見回っていました。」

俺は目を瞑った。

一番見られたらヤバイ人に見られた。

「先生の背中が見えて、天音さんの抱きしめ合っているのが見えました。」

「石田さん。」

「先生、私はね。何もあなたを責めるつもりはないんです。」

石田さんは体が震えていた。

「でも、患者さんで自分の欲望を満たすのは、間違っていると思います。」
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