白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「実は、今日の朝早くに。」

「えっ?」

「……院長に倫理委員会を開くべきだと進言しました。」

俺はハッとする。

医療倫理委員会。

それは医師と患者が、不適切な関係かどうかを調べる為の会議だ。

「それはいつ?いつ、開かれるんですか。」

「それが……」

石田さんは俺の目を見て言った。

「今日の午前中に、天音さんは事情聴取を受けます。」

「美玖が?どこで?」

「第2カンファレンスルームです。」

俺は急いで屋上を出ると、エレベーターで3階に戻った。

第2カンファレンスルームは、病棟の奥にある。

俺はカンファレンスルームのドアを叩くと、そのドアを開けた。

「渡部です。天音さんはいますか?」

そこには重々しい空気が流れていた。
< 221 / 298 >

この作品をシェア

pagetop