白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
美玖の発言に、辺りはシーンとしている。

「付き合っているんです。どうして、一緒にいたらダメなんですか?」

美玖、美玖。

ああ、どうにかして。今君を抱きしめたい。

「お母さん。この件については、ご心配もおありでしょう。」

ええ?美玖のお母さんも同席してる?

来ていたのか、こんな時に。

「娘は、これが初恋なんです。悠真先生は、美玖の初恋の相手になれて、光栄だと言っていました。先生はいい人です。無理やり犯されたなんて、あり得ません。」

お母さんの発言に、周りからはため息が出る。

「そんな事、母親にも言っていたのか。根回しがすごいな。」

「騙すなら味方からと言ったところでしょうか。」

俺は院長と副院長の言葉に、手を握りしめた。

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