白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「全く!君がこの病院を辞職してもいいんだよ!」

副院長はテーブルを叩く。

「待って下さい!」

お母さんの制止を振り切って、美玖が俺の隣に来る。

「私が転院すれば、済むことでしょ!」

「美玖!」

「だから約束して。絶対悠真先生の仕事を奪わないって!」

これには副院長もたじろいている。

「ㇵッ!交換条件みたいなこと言って!愛情ごっこか!」

俺はカッとなって、副院長の胸元を掴んだ。

「今度は暴力か!」

「どこまで美玖を侮辱するんだ!これ以上は、俺は許さない。」

その瞬間、黒川先生に腕を掴まった。

「渡部、ここまでだ。」

俺は勢いよく副院長から腕を放した。

「院長、渡部は辞職ではないんですよね。」

「まあ、そうなるね。」
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