白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
美玖の吐息が、俺を包み込む。

奪いたい。美玖の全部、俺のモノにしたい。

「せんせ……もう……」

「まだだよ……」

何回も重ねた口づけは、果てる事を知らなかった。

やがて酸欠のように、美玖は唇を離した。

「はぁはぁ……」

荒い息を俺に吹きかけ、唇からはスーッと糸が伸びた。

「悠真先生……激しい……」

「美玖がかわいいからだよ。」

カァーっと赤くなる美玖を見ると、このまま腕の中に閉じ込めておきたかった。

「時間がある日は、必ず会いに行く。」

「忙しいんだから、無理しないで。」

俺は美玖の瞳を見つめた。

「どんなに忙しくても、会いに行く。寂しいなんて言わせない。」

「言わないわよ、そんな事。」

俺はこれが最後かと思うくらいに、彼女を壊したい程に抱きしめた。
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