白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「美玖……ちゃん?」

悠真先生の眉がピクッと動いた。

「ああ、坂井先生。今日はもうリハビリ終わっても?」

「いいですよ。また明日来て下さい。」

「はい。」

私は立ち上がると、悠真先生の背中を押して、リハビリ室を出た。

「もうっ。悠真先生、嫉妬し過ぎ。」

「当たり前だろ。俺の美玖をちゃん付けで呼びやがって。」

悠真先生は案外、嫉妬深いのかもしれない。

施設を出ると、悠真先生の車があった。

助手席に乗ると、私の代わりにシートベルトを締めてくれた。

「徒歩通勤じゃなかったの?」

「帰ってから、車で来たんだよ。美玖に家まで歩かせるつもりはないよ。」

優しい彼氏だ。自慢の彼氏。

でも家の近くのリハビリ施設だから、10分くらいで家に着いてしまう。
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