白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
私の部屋の前に、お母さんが立つ。

コンコンと、ノックの音がした。

「美玖。悠真先生があなたに会いたいって、来てるんだけど。」

「いないって言って。」

「でも……」

「会いたくないの。」

そう言うとお母さんは、また階段を降りて行った。

「ごめんなさい、美玖は体調が悪いようで。」

「……分かりました。また来ます。」

悠真先生は、玄関を閉めると車に乗って行ってしまった。

もう、会えない。

先生の輝かしい未来を、私なんかが邪魔できない。

「うぅぅ……」

胸が痛い。初めて、こんなにも人を好きになった。

毎日会いたい。会って、その笑顔を見つめたい。

心の底から好きだった。

自分の人生を預けられるような人だった。

「悠真先生……」

私はそっと、愛おしい人の名前を呼んだ。
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