白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
そしてしばらくは、手術や仕事が忙しいからと言ったメールが届くようになった。

それから、会いたいという言葉も。

「最近。悠真先生、家に来なくなったわね。」

「仕事が忙しいんですって。」

お母さんは、リビングにあるピアノで練習する私を見つめる。

「大変な医師って。」

「いいの。別れるつもりだから。」

そう言うとお母さんは、私の隣に座った。

「離れるの?あんなに好きなのに。」

「……お母さん、あのね。私……」

顔を上げた。わざと強がるように。

「先生を失うより、先生の未来を失わせる方が怖い。」

そうよ。私は何とでもなる。

でも、悠真先生が努力で勝ち取って来た未来を、彼から奪うなんてできない。

「愛しているの?彼を。」

お母さんの言葉に、私は頷いた。
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