白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「医師としてのキャリア?」

「……坂井先生が教えてくれたの。元患者と付き合うなんて、積み上げたキャリアが台無しだって。」

悠真先生は、手をぎゅっと握った。

「確かに代わった。担当の患者は減らされ、オンコールも少なくなった。経験する機会を奪われている。」

「えっ……」

そんな!やっぱり坂井先生が言った事は、本当だったの!

「悠真先生……私のことなんて、もうどうでもいいから。」

彼はじーっと私を見る。

「あなたが苦しむのを、見ていられない。」

「俺が苦しんでいるのは、仕事の事じゃない。美玖に会えない事だ。」

ハッとした。

私は何を勘違いしていたのだろう。

悠真先生の状況も知らずに、一方的に距離を置いて。

こんなんじゃ、ただの我がままじゃない。
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