白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
玄関を上がると直ぐに、リビングが見えた。

「失礼します、お父さん。」

するとお父さんは、俺を見ると立ち上がった。

「なんだ?何の用だ?」

俺はゴクンと息を飲む。

「改めてまして、美玖さんとの交際を……」

その瞬間、お父さんに突き放された。

「娘は今、プロデビューの一番大事な時だ。恋愛している時ではない。」

「お父さん!」

美玖が俺の前に立つ。

「私、ちゃんとデビューしてみせるから。悠真さんと一緒にいさせて。」

「父親の許可なく、娘を一晩帰さなかったような男とか!」

俺は美玖を横にすらずと、お父さんに頭を下げた。

「申し訳ありませんでした。以後、お父さんの許可を取ります。」

「悠真さん。泊る度にお父さんの許可なんていらないよ。」
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