白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
美玖と共に、人生を生きるって決めたんだ。

「お父さん。俺にはもう美玖さんしかいません。結婚前提でお願いします。」

そして俺はまた、お父さんに頭を下げた。

「結婚か。そう言えば、美玖と交際できると思ったか。」

「そうではありません。俺は心から、美玖さんを愛しているんです。」

お父さんはチラッと俺を見た。

「医師は、プライベートなんてほとんどないと聞いている。結婚しても寂しい生活になるのは、目に見えている。」

「それは……否定できません。」

結婚しても、美玖に寂しい思いをさせるかもしれない。

それでも俺はっ!

「美玖さんに寂しい思いをさせても、不幸にはしません。」

「悠真さん?」

美玖が俺の体にすがりつく。
< 279 / 298 >

この作品をシェア

pagetop