白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「美玖さんには……生活に困るようなことはさせません。子供も、一緒に育てます。」

俺は、その時美玖との人生を覚悟した。

「お願いです。美玖さんと同じ人生を、俺に歩ませて下さい。」

キッチンの奥で、お母さんが涙を拭いていた。

「君は今日、何しに来たんだ。」

「何って、美玖さんとの交際の許可を取りに……」

「ふん!これじゃあまるで、結婚の申し込みじゃないか。」

お父さんは足を組んで、右手でソファを叩いた。

「そこまで言うなら、美玖を預ける。」

「お父さん……」

俺は嬉しさのあまり、立ち上がった。

「だが結婚は、これからの君の姿勢を見て、決めさせてもらう。」

「はい!必ず結婚させて貰えるように、頑張ります。」

俺はもう一度だけ、お父さんに頭を下げた。
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