白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「それがね、病院なの。」

「病院?意外な場所だね。」

更に美玖はふふふと笑った。

「奏が丘大学付属病院。」

俺はふと、柔らかな風が吹いたと思った。

それは、奇跡と言うべきなんだろうか。

あのコミュニティスペースに、ピアニスト・天音美玖の音が鳴る。

「黒川先生から、遠藤さんにオファーがあったそうよ。」

「黒川先生が?」

あの人はなんて、人を幸せにすることに長けている人なのだろう。

改めて、あの人のようになりたいと思った。

翌日。俺は黒川先生の元に言って、お礼を言いたいと思った。

「黒川先生、オファーしてくださって、ありがとうございます。」

「まさか、渡部からお礼を言われるなんて、思わなかったよ。」

俺はニヤつきながら、黒川先生を見た。
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