白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
俺は抱きかかえた三島さんを、ストレッチャーの上に寝かしつける。

「これから、検査室予約できる?できれば直ぐに。」

「はい。」

「三島さん、今から頭部CT撮りましょう。」

俺はそう言って、三島さんを落ち着ける為に彼女の手を握った。

「先生……私、死にそうです。」

「どうしてですか?オペは成功しましたよ。」

そう言ってペンライトで、彼女の目を照らした。

目の動きは鈍ってないようだ。

「そんなに見つめられたら、心臓がドキドキして……」

「動悸ですか?息切れは?ハカハカします?」

「苦しいです。私、先生に……恋……」

俺は看護師に叫んだ。

「ちょっと、循環器の先生呼んでくれる?」

すると三島さんに、足で蹴られた。

「痛い。何するんですか。」

「先生は、女心を知らな過ぎます。」

「はあ?」

そして検査室の予約に行った看護師が来て、彼女を検査室に連れて行った。
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