白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「俺……お酒は飲まないんです。」

そう言うと里奈先生は、冷蔵庫の前で固まった。

俺は咄嗟に立ち上がると、里奈先生を後ろから抱きしめていた。

「ごめん。付き合ってあげられなくて。」

「いいのよ。悠真君は脳外科のエースだもの。」

そう言うと里奈先生は、俺の方を向いた。

「オンコール、私にはこない。」

「女性の夜中の呼び出しは、危険なので。」

「ううん。信頼されてないのよ。」

里奈先生は、俺をぎゅっと抱きしめた。

「ねえ、悠真君。今夜は、私に甘えていいのよ。」

その温かさが、今の俺には必要だった。

俺は里奈先生の顔を覗き込むと、彼女の唇にキスをした。

里奈先生は、俺の頭の後ろに手を添えた。

情熱的なキス。

俺はすっかり、里奈先生のペースに乗せられていた。

気づくと、寝室のベッドに二人でいた。

服を脱いで、里奈先生の唇を貪った。
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