白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
一体いくつこんな心の痛みを繰り返せば、慣れるのだろう。

そう思ったら、嗚咽が漏れた。

その時、宿直室のドアが開いて、2~3人の医師が入ってくると、俺の前に立った。

「何があったんですか。渡部先生。」

「嗚咽を漏らして泣くなんて、尋常じゃありません。」

「俺、力になります。」

俺はまだ止まらない涙を、拭う事でいっぱいだった。

「放って貰っていいですか。」

「渡部先生……」

「寝れば、忘れるので。」

そう言うと先生達は、宿直室を出て行った。

再び嗚咽を漏らしながら、目を瞑った。

寝るしかないんだ。今は。

9時から申し送りがある。

それまでに起きないと。

そう言い聞かせながら、ウトウトした。

彼女、ちゃんと車で帰れただろうか。

傷つけたのは俺。

鷲尾先生は、何も悪くない。

そう、何も悪くないんだ。

そして俺はスーッと、夢の世界へと入って行った。
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