白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
鍵ってついてるのかしら。

そっとドアを押してみると、あっさりとドアは開いた。

「失礼します。」

こんなに簡単に入れるなんて、思ってもみなかった。

暗い部屋の中には、2段ベッドが4つもある。

その中の、一番奥のベッドに誰かが寝ていた。

「先生?」

そっと近づいて見ると、ああ、いた。

渡部先生だ。

私はゆっくりと、ベッドの端に腰を下ろすと、先生の顔を覗き込んだ。

整った顔立ち。いわゆるイケメン。

思わず触れたくなるのは、どうしてだろう。

「会いたかった。」

そう言っても先生は、起きない。

気づかない。私の存在なんて。

私は先生の頬に手を当てた。

「んん……」

年上の男の人が悶えている。可愛い。

でもまた先生は、スースーっと寝息を立てて寝始めた。

胸が苦しい。きっと先生は、私が宿直室に来て、先生の寝顔を見ていた事も知らない。

「そんなの嫌。」
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