白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「だからって、泣くもんじゃないでしょ。」

「それが……ええっと……」

私は必死に考えた。どうすれば、渡部先生の泣いていた理由になるのか。

「そ、そう!私が渡部先生を殴ったり蹴ったりしたから。」

黒川先生が、ため息をつく。

「それぐらいで泣くような奴じゃないですよ。渡部は。」

「でも、泣いてたんでしょ。原因は私です!」

そう訴えると渡部先生は、はははと笑った。

「ごめん。なんか可笑しくて。」

その笑顔が、私の心をほぐしていく。

そして渡部先生は、私の肩をポンと叩いた。

「さあ、病室に戻りましょう。天音さん。」

「う、うん。」

私はナースステーションを出た渡部先生に、着いて行った。

「ありがとう。ナイスフォロー。」

顔がニヤける。

「いつも助けて貰ってるお礼。」

「それが俺の仕事なんだけどね。」

そう言った先生の声が、甘く響いた。
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