白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「ええ。執刀医は渡部先生です。」

「だったら、渡部先生に同意を告げたいです。あなたに託すと。」

黒川先生は、ああそうですかという表情。

「分かりました。本当は渡部先生を今、ここに連れて来たくないんですけどね。」

「えっ?」

私は黒川先生を見た。

「彼、今あなたの執刀の、シミュレーションをしてるんですよ。」

「私の?」

「執刀には、ダヴィンチっていうロボティクアームを使います。その練習です。」

練習?どうして?先生は優秀な脳外科医だったんじゃないの?

私は手をぎゅっと握った。

「どうしてって言う、顔ですね。」

「はい。」

私は素直に黒川先生に返事をした。

「正直、渡部先生の腕ならロボティクアーム使わなくても、あなたの手術は成功させられる。」

私はゴクンと息を飲んだ。

「でも先生は、あなたが10%の確率を気にしているのを聞いて、最新鋭の機械を使う事を決めた。」
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