白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
けれど、その音は聞こえない。

“命の音”なんだ、と私は思った。

「彼ね。仕事が終わった後、手術のない時間を使って、毎日練習しているんだ。」

胸が熱くなるのを感じた。

心の内側からくる、先生の熱意とそれに対する尊敬の念が、私を捉えて離さない。

すると黒川先生が機械に近づいて行って、渡部先生の肩を叩いた。

「渡部、今日もこのくらいにしよう。」

「はい。」

操作席から離れて立ち上がった先生は、私を見つけた。

「天音さん。」

彼は練習を見られた恥ずかしさからなのか、照れたように困っていた。

「どうしてここにいるの。普通、患者が来る場所じゃないだろ。」

「ごめんなさい。」

何故か素直に謝ることができた。

すると黒川先生が渡部先生の隣に立った。

「俺が連れて来たんだ。なあ、美玖ちゃん。」

「美玖ちゃん!」

渡部先生は、驚いたように黒川先生と私を交互に見た。
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