白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
篠田先生は俺を励ますかのように言った。

「しかも医師は時に孤独な時がある。その時に心の支えになってくれる人が必要だ。」

心の支え。確実に今、美玖は俺の仕事の糧になっている。

「ピアニストも一緒じゃないですか。孤独を支えてくれる人を、待っている。」

美玖の笑顔が、脳裏に浮かんだ。

あの笑顔がいつもあるように、俺は彼女の傍にいたい。

「支えか。俺は美玖を、支えたいと思っています。」

「なら、覚悟を決めるべきでしょう。」

俺はそっと美玖のカルテを閉じた。

「だけど、世間が許してくれない。医師と患者の恋なんて。」

篠田先生は、それ以上何も言わなかった。

まるでその答えは、自分でみつけろとでも言わんばかりに。

そして黒川先生が、俺達の前にやってくる。

「回診に行くか。」

「はい。」

俺がペンライトの明かりを着けたり消したりしていると、黒川先生が美玖の手術同意書を見せた。
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