マモノ狩り或いは激情1
出会い其の弐
辿り着いた場所は道場のようだった。
最下層と言うだけあって、こじんまりとしたボロ小屋が並んでいて、鬱蒼としている。何処もかしこも埃っぽい。
ミアと一緒に中へ入ると、中年の男が話しかけてきた。
「その子が、さっき話してた子かい?」
「拳よ」
「凄い打撃なんだって?」
話がどんどん進む、
「俺はトレーナーのアンジーだ。殴ってみるか」
そう言うなり、アンジーはミットを手に嵌めていた。
8畳ほどの部屋は、そこ自体がトレーニング施設らしく雑然としながらも、中心にはスペースが空いていた。
歩くと埃が舞う。
言われるまま、前へ出た。
アンジーの構えるミットはボロボロだった。殴りたくない。
さぁ!と手振りでアンジーが促すので仕方なく構えてみる。
自分でも信じられないほどスムーズで、様になっている。気がする。
ほー、とアンジー。
アンジーが動かす左のミットへ、ジャブ。
乾いた音。
そして埃。
もう一発。促されるまま、もう一発もう一発。
乾いた音が、響く。
そして心地よい。
右も動いたので、ワンツー。
もう一度、もう一度。
右が大きく引かれたので、コークスクリューを叩き込む。
バシン、といい音が鳴った。
「オーケー!」
アンジーが叫んだ。
「軽いッ!決まりだな」
そう叫ぶと、誰かを呼んだ。
奥から小柄な少年が出てきた。
身の丈160後半、僕とは10センチほど差があるか。
「チュアンだ。君のトレーナー兼ライバルだ」