マモノ狩り或いは激情1
チュアンは小柄だったが、筋肉の付き方が格闘家のそれだった。
タンクトップと短パンから覗く四肢は無駄な肉はなかった。

チュアンに連れられて行った場所は、吊り橋のような所だった。
既視感。

チュアンは吊り橋の真ん中、弓なりの一番下がった所へ立った。
そして体を左右に振り始めた。
最初はゆっくり、徐々に徐々に大きく大きく。

左右に大きく振れる吊り橋は、見るからに立っているのが辛そうで、チュアンの下半身は揺れに逆らわず、橋の動きに沿って移動する。反対に上半身は動いていない。ように見える。
体幹がしっかりしている。でないとこうは出来ない。

揺れを小さくして、吊り橋を止めた。
チュアンが手招きする。
拳も吊り橋に乗った。

2人は1メートルほどの距離を置いて向かい合った。
チュアンが揺らしていく。

徐々に大きくなる揺れ。前にいるチュアンの真似をしながら下半身を動かして橋に喰らい付く。

振り幅が大きくなった所で思いもかけない事が起こった。

チュアンが蹴ってきたのだ。
足場が悪い、重力もままならない所、でだ。
拳は受けた。

ふわっ、とした感じと共に足下から橋が消えていた。
落下。した先には水溜まりがあった。

冷たい。そして高さもあるので痛い。
更に深い。
踠いて水面まで出ると、チュアンが手招きしている。

見ると縄ばしごが掛けてあって、それを使って上がらなければならなかった。
濡れた体で登るのにも体力が必要だった。

そして、もう一回。
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