マモノ狩り或いは激情1
何度目か。
理解した。
チュアンは重力に逆らわず、橋の上を移動している。
そして跳ぶ。戻ってきた橋の上に着地する。その間に蹴りを出すのだ。

そして、自分のスタイル。格闘の。
ボクシングがベースかと思っていたが、キックボクシングだと理解した。
自然と脚が出る。
コークスクリューパンチはフィニッシュホールドとして存在しているのだ。

チュアンのスタイルは、打撃ではなく組み系、タックルで相手を倒して関節技を決めるのだ。

この足場の悪い、体幹重視の状況でお互いの得意分野を繰り出すのは至難の業であった。

揺れる空間の最中、タックルとキックが交錯する。
チュアンの動きを理解した上で。

細い橋の上を滑るように動く。
軸足を固定、一瞬。
蹴りは空を切った。

その下をチュアンが這ってきた。
跳ぶ。
橋に着地できるよう、斜めに跳ぶのだ。

チュアンも跳んでいて、空中で交錯する。掴まれたら僕の負けだ。

腕を掻い潜り、チュアンの首筋を蹴り上げ更に上へ。
前の空間を削ったチュアンの両腕は交差した。

戻ってきた橋の上へ着地する。
チュアンも体を半回転させ、橋へ戻る。

その足をちょんと蹴り、崩す。
着地に失敗したチュアンは落下した。

延べ5日、57回目の事であった。
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